【敷金・礼金の数字で賃貸需給を見極める】
その物件に賃貸需要が見込めるかどうかは、どうすれば判断できるでしょうか。
まず、マクロ的なエリアの賃貸需要を測る尺度としてわかりやすいのは、敷金と礼金の月数です。
これがわかれば、そのエリアの賃貸需要は一目瞭然です。
簡単に言ってしまえば、敷金と礼金の月数を多くとれるエリアは、賃貸需要が供給に比べて高く、敷金と礼金がとれないエリアは、賃貸需要が供給に比べて低いのです。
これを考えてみれば当たり前の構図で、オーナー(貸主)サイドが入居者を入れるために入居の条件をどの程度譲歩しているかという尺度となります。
貸主は、基本的に敷金も礼金も多くとりたいものです。
敷金・礼金が2ヶ月ずつのエリアてあれば、特に何も譲歩しておらず、0ヶ月ずつというエリアはかなり譲歩しているということがわかります。
一般的に、中古のアパートてあれば、敷金・礼金が1ヶ月ずつというのが、関東エリアの相場ではないでしょか。
これが、東京都心部になると2ヶ月ずつになり、千代田区の六番町や港区の麻布といったエリアでは、3ヶ月ずつの場合も出てきます。
これは、エリアに物件が少なく、供給よりも需要のほうが多いため、貸主が強い立場で賃貸経営を行なっていることに他なりません。
逆に、札幌を見てみると、敷金・礼金が0ヶ月ずつというのが当たり前です。
札幌は極端に供給が多いため、オーナーはもうこれ以上譲歩できないところまで譲歩して、それでも入居者が決まらないことも珍しくありません。
引っ越し代サービス、仲介手数料オーナー負担など、オーナーの立場の弱さゆえに、賃貸条件がどんどん悪くなります。
これは、2007年をピークとするミニバブル時において、ファンドの乱開発が相次ぎ、札幌や福岡などの地方都市は供給過多になり、一気に需給のバランスが崩れたことによるもので、注意する必要があります。
このように、敷金と礼金の月数を見ることで、そのエリアの賃貸需要の強さが測れます。
「家賃相場がいくらか」の前に、賃貸需要の強さを見ることが重要です。
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