【合意による更新】
普通賃貸借契約が期間満了を迎えた場合、特に当事者間にもめごとがなければ、契約は自動更新条項に従うなり、新たに当事者同士が更新に合意するなりして継続することが原則である。特に、後者の個別の更新合意の場合には、その合意書を作成し、その中に更新料についての定めも規定するのが通常である。
法律の定めによる更新
では、契約書に自動更新条項がなく、本来なら当事者間の合意の上で更新することが予定されていたのに更新合意がなされず、法定更新された場合(つまり合意ではなく、借地借家法26条に基づき、法律の定めにより更新された場合)、借主はやはり契約書上の更新料の定めに従い更新料の支払義務を負うことになるのか。
この点、裁判例を分析すると、借地の場合と借家の場合で考え方が異なっているといえる。
借家の場合
借家の場合は、更新料の支払い義務を否定する見解の方が一般的である。すなわち、更新料はあくまで「更新された期間は貸主から明渡しを求められることなく、安心して建物を使用できることの対価」としての性質を有しているところ、借家契約が法定更新されると、借地の場合と異なり、期間の定めのない契約となることから(借地借家法26条1項ただし書)、借主としては、貸主が正当事由を具備すればいつでも解約申入れがなされ、常時明渡しをめぐる紛争状態に巻き込まれるリスクを負うことになる。このようなリスクを負う法定更新の場合に、借主に更新料の支払義務を負わせるのは不相当だと考えるのである(東京地裁平成9年1月28日判決)。
つまり、法定更新になると更新料の支払いを拒めるとゆうことになる。
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