【ターゲットを絞って選ばれる部屋をつくる】
「自分の物件にはアピールすべき強みがない」と悩んでいる大家さんがいます。
しかし、そこであきらめるのではなく、ターゲットを絞ったり、発想の転換てま強みを見つけられることがあります。
また、PR方法を工夫することでお金をかけずに空室を埋める方法をご紹介します。
ターゲットを絞ればチャンスが生まれる
かつて、賃貸経営ではできるだけ間口を広げて、多くの入居者ニーズに対応できる部屋を提供することが正しいとされていました。
逆から見ると、そのような部屋は「どこにでもある部屋」ともいえるため、「駅から遠い」「築年数が古い」といったネガティブな要素が重なると、とたんに選ばれない物件となってしまいます。
最近うまくいっている大家さんさには、ターゲットを絞って、その人たちに選ばれるような部屋をつくることにフォーカスしているという特徴があります。
その大家さんたちは、あえて万人向けではない部屋つくり、「この部屋がいい!」という入居者さんを吸い寄せる手法を選んでいるのです。
別に難しいことではありません。
そのエリアと物件の条件から、「どんな人に選んでもらいやすいかを考えて、そのイメージがわいてきたら、その人たちに選ばれるように工夫を凝らしていけばいいのです。
たとえば、物件が狭いけれど、駅から近くて、近所にコンビニがあるなら、「仕事が忙しくて、家には寝るためだけに帰ってくる若い男性社会人」にターゲットを絞り、男性に好まれるようなクールな壁紙を選んでみてはどうでしょうか。
あるいは、少し駅から遠く年数も古いけれど2人で暮らせる広さがあるという物件なら、カップルをターゲットにして、「同棲カップル歓迎」とアピールするといいでしょう。
線路のすぐ脇にあって騒音が嫌がられる部屋でも、電車好きな人にターゲットを絞り、「室内から電車がよく見える部屋」という特徴を打ち出せば、マニアたちの間で人気の物件になるかもしれません。
自分の物件にはこれといった強みがないという人がいますが、簡単にあきらめてはいけません。
物件自体は平凡なスペックでほかの物件に埋もれてしまうという場合は、駅の魅力や、近所にある商店街やおいしいお店などを強みにするのもいいでしょう。
「ラーメン好きの方におすすめの物件!近所に行列のできる有名ラーメン店があります」といった具合です。
ユニークな例でいうと、駅から20分以上の距離がある物件について、「駅まで毎日、自然とウォーキングができます。運動したいけれど、ついサボってしまうというダイエット中の女性にぴったりの物件です」とPRしたところ、空室が埋まったというケースがあったそうです。
ほかにもシングルマザー に特化したシェアハウス、バイク好きが集まるガレージ付きマンションなど、ターゲットを絞って成功している例は多くあります。
「ネコを飼育したい人専用の部屋」というアイディアも、近年は好評を得ているようです。
ネコにかぎらず、ペットと暮らしたいという人は増えているので、「ペット可」や「ペット歓迎」から1歩進んで、「ペットを飼っている人以外はお断り」という物件があっても面白いのではないでしょうか。
動物が触れないように電源のコンセントを通常よりも高い位置に設置したり、ペット専用の出入口を付けるなど、室内に工夫を凝らすことで、動物好きの入居希望者たちのニーズをがっちりとつかむことができるでしょう。
物件の価値・魅力をどう伝えるか
ターゲットを絞った部屋をつくるだけでなく
部屋を探している人たちに「このようなへやがあります」ということをPRすることも大切です。
一般的な賃貸住宅の客付業者さんは、いわゆる従来型の客付けをしていることが多く、駅からの距離、家賃、広さといった絞切り型の条件だけをもとに、お客さんに案内する部屋を選択しがちです。
せっかく特色のある部屋をつくっても、そのような切り口で価値を決められてしまうと、入居希望者に部屋の存在を知ってもらうことができなくなってしまいます。
そこでおすすめなのは、自分の物件の魅力をアピールできるような小さな写真集(パンフレット)をつくり、不動産会社の窓口に置いてもらうことです。
それが難しいようならば、マイソク(物件広告)を自分でつくるといいでしょう。
同じような物件案内資料がたくさんある中で、手づくりのマイソクはそれだけでも目を引きますし、アピールポイントをしっかりお書き示すことで、ターゲットとする人たちの目に触れる機会が増えます。
次のリフォームの際は、無条件に「原状回復」するのではなく、「選ばれる部屋」にするために何かできないか、考えてみるといいでしょう。
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