【管理会社の構造的問題】
残念ながら日本の管理会社のほとんどは構造的な問題を抱え、オーナーの利益を最大化できない状況にあります。
日本は戦後一貫して人口が増え続けてきました。
終戦時約7,000万人だった人口が1億2,000万人以上にまでわずか50年の間になったのです。
そのため一貫して住宅不足の時代が続きました。
入居希望者に対して、部屋が不足している状況ですから貸主は常に優位に立ち、どのように借主を見つけるかという視点を持つ必要はありませんでした。
そのため、管理会社の意識として空室をどのように埋めるか、入居者をどのように獲得するかという意識を持たなくても済んでしまっていたのです。
当然「アパート事業」という認識を持っていないのが実情です。
その時代に生まれた管理形態が管理会社が自社で仲介店舗を持つという形態「(一体型)」です。
自社の店舗だけで入居者を募集しても空室が少ないのですから、問題なく空室は埋まったのです。
そして、時代が変わった今日においてもこの形態が引き継がれています。
時代は180度変わって、部屋余りの時代になりました。
管理会社は自社管理物件の空室をいかに埋めるかという視点での活動が求められます。
どのように「部屋を売るか」という活動です。
具体的にはできるだけ多くの仲介店舗に空室を紹介して売ってもらうという活動が求められます。
家電メーカーが自社製品を売るために、多くの小売店(ビックカメラやヤマダ電機)に販売促進活動を行うのと同じです。
しかし、自社で店舗を持っているため、自社店舗のみで販売している、もっと言えばせざるを得ないというのが現在の管理会社の状況です。
まさにナショナル(現パナソニック)の商品を「ナショナルショップ」で販売するという高度成長時代の流通形態が不動産管理業界ではいまだに行われているのです。
これではオーナーの利益最大化は実現できません。
管理会社は管理業務に特化し、空室を埋める、退去を防ぐ(テナントリテンション)活動に専念すべきだと思います。
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