【最近の敷金精算をめぐる裁判の傾向②】
最高裁判所では、当事者が契約内容を十分に説明・協議のうえ理解をして、きちんと契約書に「本来、貸主が負担すべき自然に発生した損耗を、特約によって借主が負担することに合意をした」ことを明確に記載しなければ、その特約は有効とはいえない、という判断を示しました。
また、消費者契約法が施行され、これらの特約が「消費者契約法上無効ではないか」との争いが出てきました。
首都圏では「畳、ふすまの張替え特約」「ハウスクリーニング特約」「鍵交換特約」等が、関西では「敷引き特約」が広く締結されています。
現時点ではまだ具体的にどの特約が、消費者契約法上有効か無効かを判断をした判例は少ないのですが、今後これら特約の、消費者契約法上の問題に関する争いが増えることが予想されます。
これからどういった裁判例が出てくるのか注目されるところです。
部屋のキズや汚れの程度が「通常の使用を超えているので借主に費用負担が発生する」とか、「いや、普通に生活していれば当然生ずる自然損耗なので借主に費用負担はない」といった点が裁判で争われているケースもあります。
この場合には、国土交通省が出した『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』の内容に沿った判断を下す裁判例が増えてきているようです。
※消費者契約法・・・平成13年に施工された消費者を弱者として保護する法律。
消費者に契約の取消権を認めたり、極端に消費者に不利な条件は無効とする内容になっている。
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