【共益費・管理費】
共益費・管理費とは何か
契約の継続中に借主が貸主に支払う金銭のうち、最も代表的なものは「賃料」であるが、この賃料に並んで代表的なものとして「共益費」がある。
共益費とは、借主が貸主から借りた不動産を使用するにあたり、共用部分(または共用物)の維持管理に要する費用をいう。
このような共益費について、契約書に支払義務が明記してあれば、借主は貸主に対し同費用を支払うべき法律上の義務が発生する。
逆に、共益費の支払義務が契約条項に明記されていなければ、同義務は発生しない。
このような共益費は、複数の借主ご入居する建物の借家契約で主に問題となる。
たとえば、共同住宅やオフィスビル、商業施設では、共用通路やエントランス部分、エレベーターなど、各入居者が共同で使用する共用部分について、貸主が維持管理を行い、それに係る費用(水道光熱費、清掃費、電灯の交換費用など)を各入居者から徴収する場合、その費用が共益費にあたる。
以上のことから、ここでは主に共同住宅やオフィスビル、商業施設など、複数の借主が同じ建物に入居する借家契約における共益費について論じていく。
なお、共同住宅の借家契約では、共益費ではなく「管理費」という言葉が使われるこおもあるが、両者はほぼ同じ概念である。
また、共益費と似た概念として「直接費」と呼ばれるものがある。
これは借主がその借りているスペース内で使用した電気代や水道代をいったん貸主が支払って、それをメーターで測って借主に課金するという金員である。
大型商業施設では電気や水も、貸主が仕入れてテナントに販売するシステムになっているところが多い。
電気は貸主が電力会社から高圧で仕入れて、それを変圧して引き込んで、テナントに販売している。
この直接費も、共益費と基本的に同じ性格のものと考えてよい。
0コメント