【アパート・マンションオーナー3類型】
アパートオーナーには3種類の人がいます。
第1種族:いわゆる地主さん(大家さん)です。
自分の土地、それも先祖代々の土地を持っているため、相続税の軽減のためにアパートを保有する(建てる)方がほとんどです。
第1種族にとっては、先祖から受け継いだ土地を子孫の代に残すことが最も重要です。
基本的には売却などは考えず、利回りもそれほど重視していません。
アパート経営に対して「経営する」という視点はなく、受身の方が多いのが特徴です。
第2種族は、不動産を株式やFXと同等の金融商品の一つと見なし、投資活動を行なっている方々、いわゆる投資家のことを指しています。
職業は、会社員、会社経営者、医師、主婦など、さまざまです。
投資対象は基本的には区分所有のマンション(ワンルームが多い)で転売目的のタワーマンション投資や、節税目的の新築ワンルームマンション投資がこの対象です。
この種族のポイントは、不動産に対して「経営」という視点がないことです。
不動産をあくまでも株などと同様に金融商品の一つと考えています。
そして第3種族のオーナーです。
この種族のポイントは、不動産投資を「事業」として明確に捉えている点です。
大家さんでも投資家でもなく、「アパート事業家」なのです。
事業ですから、当然「利益」を出すために積極的に活動します。
また、いやゆる地主さんではないため、土地からアパートを取得しなくてはなりません。
そのために、基本的には既築(中古)のアパートを取得していきます。
このような「アパート事業家」は、賃貸市場において存在感が年々高まっています。
このタイプのオーナーは、アパート事業の主たる目的をアパートから得られる「家賃収入」に置いています。
そのため、アパートを購入した後、長期間での保有が基本になります。
そして、何よりもアパート経営に対する意識が高く、能動的に取り組んでいます。
賃貸市場においては、戦後からバブル崩壊までは貸し手優位の状態が続きました。
アパートオーナーは、どちらかといえば「入居させてやる」という立場だったのです。
しかし、今や日本では、バブル崩壊とその後の失われた10年を経て人口減少社会に突入し、借り手のいるアパートと、いないアパートに二極化しつつあります。
いわば勝ち組(満室)アパートと、負け組(空室)アパートです。
勉強し、工夫し、意欲的に取り組むことで初めてリターンが得られるという、考えてみれば当たり前のことが、賃貸市場では行われてこなかった事情が影響しています。
そういった努力をしなくても、入居者が自然に集まる時代が長く続いたからです。
今後は、他業界同様、厳しい競争の時代がやってきます。
差別化を意識し、「入居者はお客様である」という考えのもと、どのようにすれば入居してもらえるかという発想がなければ、生き残ることはできません。
地主の方々全員が努力していないということではありませんが、他人から営業攻勢をかけられて、仕方なく自分の土地にアパートを建てたような「大家さん」との競争において、「アパート事業家」が負けるはずはない、と思っています。
まだまだ地主さんたちが市場の大半を占めている状況ですから、少しの工夫で優位に立てる、それが賃貸市場の魅力でもあります。
0コメント